Orographic Dependency of Heavy Rainfall Events in Upper Reach of Tokachi River Basin

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  • 十勝川上流域を対象とした豪雨の地形依存性

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2016年8月の約2週間の間に襲来した台風7, 11, 9, 10号時の豪雨によって甚大な災害が発生した.日高山脈の標高の高い地域では,約3日で年降水量の半分を超える雨量を観測した.先行研究で台風10号による豪雨は日高山脈の地形に起因することが明らかにされている.また,発生する豪雨の半数が地形に起因するとされているカリフォルニアの先行研究で,地形性豪雨の生じやすさに関し,山間部周辺の大気の流れが持つ運動エネルギーと山を越えるために必要なエネルギーの比として算出されるフルード数という無次元パラメータを用いて評価している.フルード数は大気の安定度を示すブラントバイサラ振動数(以下B-V振動数と記す.),風速の水平方向成分,地形の代表高さを用いて算出される.本研究では湿潤効果を加味するB-V振動数を中心に,他年の年最大降雨イベントに対し,明瞭な地形特性を有する台風10号による日高山脈や十勝川流域での降雨の特徴を湿潤度に着目し,フルード数を用いて議論することを目的とする.B-V振動数に関し,乾燥状態の大気を対象とした乾燥B-V振動数を1種,潜熱や雲水の凝結などの効果を加味した湿潤B-V振動数を3種,の計4種の算出を行った.さらに,以上の結果を用い4種のフルード数を算出した.フルード数を用い2016年の台風10号時と他イベントとの比較を行った.フルード数が比較的大きく算出された2006年,2014年の年最大降雨イベント,2016年台風10号時で,標高が上昇するほど降雨量が増加する傾向が強くみられた.また,降雨の空間的ばらつきに関し,同3事例において,標高が高い地域に局所的な降雨がもたらされていることが分かった.以上より,フルード数による豪雨特性の分類が可能であることが示唆された.

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Details

  • CRID
    1390564238059910528
  • NII Article ID
    130007553968
  • DOI
    10.11520/jshwr.31.0_140
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • Abstract License Flag
    Disallowed

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