都市計画論文集
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自主防災組織の事前の災害への備えと災害時の活動の関係性
2016年熊本地震時の熊本市の自主防災組織の活動状況の分析
柿本 竜治吉田 護
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2019 年 54 巻 3 号 p. 1086-1093

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抄録

行政が災害への備えを如何に行っても広域に大規模な災害が発生した場合,行政の災害対応能力に限度があることは明らかであり,災害発生初期段階では,自助や共助による災害対応が必要であろう.したがって,地域の災害時の対応力を向上させることは不可欠である.そこで,本研究では,2016年熊本地震による影響の大きかった熊本市の自主防災組織を対象に,熊本地震前の自主防災組織の災害への備えや訓練の状況と熊本地震時の災害支援活動の状況をアンケート調査し,両者の関係を分析した.そして,自主防災組織の災害時の対応力が高った自主防災組織の特徴や特性を明らかにし,自主防災組織の災害時の対応力を向上させるための方策を探った.結果として,日頃の災害への備えが,災害時の対応力に繋がっており,地域による災害への備えの充実は不可欠であることを明らかにした.また,自主防災組織の災害への備えの取り組みに影響している要因を分析したところ,すべての取り組みにおいて,組織体制の整備が重要であることが示された.

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© 日本都市計画学会
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