2021 年 30 巻 p. 26-34
本研究は、通院や入院を必要とする健康障がいをもつ子どもの親が、自分の思いや考えなどの感覚を表出することへの看護師の認識を明らかにすることを目的とした。子どもにかかわる4年目以上の看護師を対象とし、6名の研究協力者に4回のフォーカスグループインタビューを実施した。その結果、以下の3つのカテゴリーを抽出した。『親の感覚を聞こうとしているが、聞けていないし、親も言っていないがそれでいい時もある』、『親が表出する感覚の内容からケアが決まったり、看護師としての力量を感じたりする』、『親が自分の感覚を表出することへの自分たちの思い』。看護師は、親が表出する感覚の内容から自分自身のケアや力量をとらえており、親が感覚を表出することは看護師にとって重圧を感じることでもあった。親が表出することを他者と話し合ったり、親が自分の感覚を表出することの意味に着目したりする必要があると考える。