有棘赤血球舞踏病における遺伝子変異と表現型に関する研究
Project/Area Number |
18790842
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Psychiatric science
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
室屋 真二 Kagoshima University, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (40363634)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 有棘赤血球舞踏病 / 遺伝子変異 / 表現型 / CHAC / VPS13A |
Research Abstract |
ChAc患者とその家系構成員の臨床症状について詳細に評価し、更にVPS13A遺伝子をはじめとして、神経有棘赤血球症や他の神経変性疾患の遺伝子解析を行った。 【結果】 発端者37歳女性は、VPS13A遺伝子にホモ接合性ナンセンス変異(3889C>T、R1297X)を有していた。当初、情動不安定、妄想気分、強迫症状など多彩な精神症状を認めていたが、神経心理学的検査で前頭葉機能障害が認められ、進行性にfrontosubcortical dementiaの病像を呈した。また、てんかん、筋緊張低下、四肢・躯幹・口腔の舞踏運動などの神経症状もみられ、不随意運動の進行に伴い誤嚥や自咬症なども認められた。画像検査においては、頭部MRIにて進行性に尾状核頭部の萎縮と白質病変を認め、脳血流SPECTでは大脳基底核から前頭葉へと血流低下領域が拡大していく経過が明らかとなった。 さらに、患者以外の家系構成員8名中5名は3889C>T変異をヘテロ接合性に有しており、そのうちの4名にChAcの部分症状を認めた。これら4名に認められた部分症状は様々であり、また重症度においても個人差が認められた。この家系において、線条体の神経変性を伴う他の遺伝性疾患の原因遺伝子の多形解析を行ったが、ChAcの部分症状の発現との間に有意な関係は認められなかった。 【結論及び考察】 ChAcは劣性遺伝病であるが、ヘテロ接合性にVPS13A遺伝子の変異を持つキャリアにもChAcの部分症状が生じており、その症状や重症度には個人差が認められた。同じ変異のキャリアにおける表現型が様々であることから、病態発現に関わる修飾因子が存在する可能性を考え、他の遺伝性神経変性疾患の原因遺伝子について多形解析を行ったが、表現型との有意な連鎖は認められなかった。未知の修飾因子が関与する可能性は高く、今後も解析を行う必要があると考えられた。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Clinical and molecular genetic assessment of a chorea-acanthocytosis pedigree.2007
Author(s)
Ichiba M, Nakamura M, Kusumoto A, Mizuno E, Kurano Y, Matsuda M, Kato M, Ageura A, Tomemori Y, Muroya S, Nakabeppu Y, Sano A.
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Journal Title
J Neurol Sci. 263(1-2)
Pages: 124-132
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