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¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Research Abstract |
本研究では、一流選手の練習や試合での黙想時体験の認知的媒体の特性を明らかにすると共に、意識や情緒の自我調整を果たすと仮定する黙想の役割について、脳波を使用してその生理心理学的側面を明らかにした。 実験では、一流選手(陸上競技4名,バトミントン2名,ゴルフ1名,剣道11名,合計18名)を対象とした。 脳波の記録は、多用途脳波計(NEC三栄製SYNAFIT1000)を用い、国際10-20電極法にしたがい、両耳朶連結により、F3,Fz,F4,T3,C3,Cz,C4,T4,Pz,02の10部位から時定数0.1秒での単極導出により行なった。得られた脳波は一旦データレコーダーに記録され、後にシグナルプロセッサー7T18A(NEC三栄製)により、8秒間に512ポイントでサンプリングされ、FFT処理により周波数分析がなされた。また、垂直および水平EOGと呼吸曲線も同時に記録した。 実験に先だって、被験者の精神状態をみるためにSTAIを実施した。それから、電気的にシールドされた防音実験室で、被験者を安楽椅子に座らせ課題の説明を行なった後、(1)安静閉眼条件3分、(2)開眼/閉眼条件2分、(3)安静閉眼条件5分、(4)黙想条件5分、(5)開眼/閉眼条件2分の条件で脳波が記録された。 (1)黙想時の認知特性については、内省報告から試合や運動のイメージを描き精神を集中させていた。(2)生理心理学的指標としての脳波、,呼吸数の特性については、安静時には各測定部位でalpha波が出現している。しかし、黙想時にはalpha波が抑制されるか、比較的周波数帯域の高いalphaII波に移行した。また、呼吸は黙想時には浅く少なくなった。(3)メンタル・トレーニングと黙想の比較については、黙想時の脳波が瞑想時のそれと類似する傾向がみられたことから、心身の安定を計る方法として有効だと思われる。
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