2016 年 72 巻 2 号 p. I_1339-I_1344
堆積泥を燃料とする微生物燃料電池(Sediment Microbial Fuel Cell : SMFC)は,水環境悪化の主たる原因である堆積有機泥から電子回収を行うことで,発電と有機泥浄化を同時に達成可能な技術である.しかし,SMFC系内に存在する過電圧のため発電効率(浄化効率)が低く,未だ実用化には至っていない.過電圧には使用する電極の反応効率(活性化損失)や有機泥の電子伝達能力(濃度損失),泥内微生物の活性度など様々な要因が存在する.本研究ではSMFCの活性化損失,濃度損失を低減する手法として,電極の配置密度の低減,およびアノード層への竹粉混合を提案し,これらの手法を取り入れた装置を実河川に適用した.この結果,提案した手法は活性化損失および濃度損失を低減しSMFCの性能を向上させることが明らかにされた.