サービス組織の窓口業務

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タイトル別名
  • Managing Employee/Customer Interaction in Service Organizations
  • サービス ソシキ ノ マドグチ ギョウム

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抄録

公益サービス組織では,提供するサービスの公益的性格ゆえ、取扱の公平性、均一性、迅速性が要求される。このため、詳細な取扱方が制定されている。窓口係員は、所定の取扱方に則して業務を遂行することが求められており、窓口係員の裁量範囲は限定的である。この方式は、大量取扱に好適である。一方で、顧客の個別の要望や、取扱方に記載のない事態への対応は、必ずしもスムーズではない。タスクの多様性が高い状況下では、高い組織有効性が達成されるとは限らない。公益サービス組織は、顧客志向サービス組織とは対比的に、制度志向の比重が高いサービス組織と捉えることができよう。しかし近年、行政評価法の施行や消費者の権利重視の流れなどを受け、顧客満足の重要性は高まっている。但し制度志向サービス組織の場合、所定の取扱方に適合しない利他的行動は、ヒューマンエラーまたは違反行為となる。顧客と組織の境界線上で、係員は顧客志向と制度志向というダブル・バインドの立場にある。本研究では、近年の公益サービス組織のタスク多様性要因を、まず組織間環境に求め、それが組織のマネジメントと窓口係員の作業環境に与える影響について検討する。

収録刊行物

  • 經濟學研究

    經濟學研究 59 (1), 103-146, 2009-06-11

    北海道大学大学院経済学研究科

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