研究課題/領域番号 |
04671358
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
宮田 健 熊本大学, 薬学部, 教授 (90040310)
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研究分担者 |
庄司 省三 熊本大学, 薬学部, 教授 (60040317)
礒浜 洋一郎 熊本大学, 薬学部, 教務員 (10240920)
高浜 和夫 熊本大学, 薬学部, 助教授 (80150548)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1992年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | Piperidine / pulmonary surfactant / sleep-related peptide |
研究概要 |
Piperidineが睡眠関連ペプチドを遊離させること、睡眠の中でも内分泌亢進を伴うREM睡眠誘発に関与しているらしい事は既に報告した。今年度は、もともとPiperidineの研究が鎮咳薬の作用増強の機序探求に端を発したことを踏まえ、睡眠時無呼吸及び気道分泌との関係を中心に検討を進めた。その結果、次のような知見を得た。 1.Piperidineは睡眠時に分泌促進がみられる肺胞II型上皮細胞からの肺表面活性物質(肺サーファクタント)の主成分であるphosphatidyl-cholineは分泌を亢進させた。初代培養II型細胞を用いた実験結果から、分泌促進はcyclic AMPの上昇を伴わず、Proteinkinase C拮抗薬によって拮抗される事からPhosphatidyl inostitol turnoverの賦活によるものと推定された。この成績はpiperidineの細胞内情報伝達系に対する作用態度について重要な示唆を与える。 1.粘液分泌調節に関与しているらしい事は、魚類の粘液、粘液腺中にPiperidineが高濃度に含有されていることから推定されていた。そこで粘液多糖分泌に対する作用を培養気管、培養粘液分泌細胞(杯細胞株細胞)を用いて調べた。piperidineはN-acetyl neuraminic acidと相互作用することにより粘液分泌、粘液-粘膜機能に影響を与え得ることが分った。その機序としてpiperidineの陽性荷電が、粘液及び粘膜を構成する粘性糖蛋白の最外層結合糖であるN-acetyl neuraminic acidと陰性荷電と結合し、両者の特異的な立体構造配置に基づき、粘膜上皮細胞に刺激が加えられるとともに、粘液の性状を変化させることが分った。 1.睡眠時(夜間)咳嗽反射は主にtachykinin類が咳誘発物質として作用していることに原因があり、tachykinin分解酵素であるneutral endopeptidase活性が夜間に低下してtachykininが蓄積されるためであることが分った。Piperidineはtachykinin活性を調節しているらしい。
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