研究課題
若手研究
こころの形成過程を検討するために、基礎的な知覚や高次の思考を含む様々な課題を世界各地で実施し、それらのパフォーマンスの関係性を国、人種、使用言語などの環境要因も踏まえた重層的な地図「こころワールドマップ」にする。これによって、低次な知覚・認知から高次な思考・推論・社会行動までが互いにどのように関連を持ち、どのような環境とのインタラクションによって形成されるのかの解明を目指す。本研究提案者は連携し、それぞれのネットワーク・コネクションを共有することで、本研究期間中にこの試みのプロトタイプを実現し、心理行動実験の新たな基盤を呈示する。
ヒトが持つこころがどのように形成されるのかを検討するために、本研究では、基礎的な知覚・高次の思考を含む様々な課題を実施するとともに、世界各地で行われた心理実験の成果を集約できるようなプラットフォームの開発を行った。概念と概念の関係をモデル化し、記述する方法であるオントロジーによって、心理実験データベースの基礎を構築した。また、こころに関する概念の調査も行い、「こころはどこにある?」「ヒト以外にこころを持つものはいるか?」「幸福/不幸はどういった色で表現される?」「幸せはいくらで買える?」といった「こころ」そのものに対する考え方の違いに関する予備的なデータを得た。
これまで、基礎的な知覚現象について、世界各地域を網羅して行った研究はほとんどなかったが、ヒトのこころの形成を俯瞰的に捉えるには、「基礎的な知覚」と「高次の思考」の両者を含んだ様々な課題のパフォーマンス間の関係性を踏まえ、それらの人々が住む環境とどのように関連しているのかを多角的に検討することが必要である。本研究で構築されたプラットフォームは、心理行動実験に関するデータベースの基礎となる。これを利用することで、実験が実施された国・地域とそれぞれの結果を結合することが可能となる。さらには、実験方法による結果の一貫性などを確認することができ、再現性の検討にも資することができる。
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Psychologia
巻: -
130008159546