2018 年 74 巻 5 号 p. I_339-I_348
橋梁の高齢化が進む中,各道路管理者は既設橋梁に対して国が定める統一な基準により5年に1回の頻度で近接目視により点検を行うことが義務付けられている.一方,橋梁損傷の状況は,橋梁の構造形式,交通量及び供用年数,周辺環境によって千差万別であり,劣化が進む速度も異なっている.そのため,環境条件や構造形式によっては,5年というスパンの間で劣化が進み,損傷が悪化した状態で供用されている.損傷の早期発見に向けて通常点検において橋面工の部材の損傷を点検するだけではなく,その点検結果を活用することで桁下の部材の損傷の発生を推測する仕組みの構築を目指す.本研究では通常点検時に確認する可能な橋面工の部材の損傷と桁下の部材の損傷の関連性について,これまで蓄積された橋梁の定期点検結果から決定木分析を用いて明らかにした.